理事長所信

理事長所信

一般社団法人大府青年会議所2022年度
第48代理事長 池ノ下 祐亮

【はじめに】

1951年、まだ国家として国際舞台に復帰していないにも関わらず、戦後荒廃した日本に「新しい日本の再建は、我々青年の仕事である」と覚悟を決めた青年たちによる団体は、国際青年会議所として認められ、日本青年会議所が産声を上げました。その後、1975年に、ここ大府市・東浦町の熱き若者たちが、「組織の一員として活動することが、当地域社会に住む青年に与えられた使命である」という信念のもと、599番目のLOMとして大府青年会議所を発足しました。
そして、我々が大府市・東浦町で活動を続けることができるのは、47年という長い歴史の間、先輩諸兄が絶えず、築いてこられた地域との信頼関係が基盤にあるからです。そのことにこれからも感謝しつつ、活動を展開してまいります。
さて、2020年2月ごろから突如として新型コロナウィルス感染拡大がはじまりました。それは、人々の行動様式や価値観までも変えてしまうほど大きな出来事であり、現在においてもそれがいつ本当に完全に収束するのかは誰にもわかりません。
しかし、物事は良い面と悪い面を持ち合わせており、このコロナ禍において、急速に進んだデジタル化や環境汚染が緩やかになったという良い面を忘れてはなりません。
その一方で、ワクチンの開発・接種により、社会や経済はまた元通りになっていくのではないかと考えられています。このことは、非常に喜ばしいことではありますが、そのまま元通りに戻ることが果たして正しいことなのかという疑問を持たざるを得ません。
この目まぐるしく発展し続ける世界において、現状維持は衰退だと私は考えます。今一度、これまで我々が取り組んできた活動について、なぜそれを行うかということを常に問いつつ、継続すべきことと時代に即した形に変化すべきことを見極め、常に少しでも良い方へと、メンバーと共に前に歩んでまいります。

【どんな時代であっても青年会議所は学び舎である】

青年会議所は学び舎である。これはいつの時代になっても変わることのない我々の一貫した信念です。コロナ禍においても、対面での事業・例会が難しくなったとしても中止とせず、ZoomやYouTube Liveを非接触型の新たな発信のツールとしていち早く取り入れ、メンバーの為に、そして地域の皆様の為に行動し続けるJAYCEEとしての気概が我々にはあることを忘れてはなりません。
また、JCとビジネスは表裏一体の関係にあると私は考えます。結果はもちろん重要なことではありますが、そこに至るまでの考え方やプロセスを大事にし、JCや社業において試行錯誤し、自分の武器となる型を磨いていくことで、自己の成長を促してまいります。
メンバー個人の成長は、自分自身の幸せの拡大に直結します。それは、青年会議所における成長は、誰かの為に貢献したいという想いが強く、そこから得られるやりがいや喜びや充実感は、その個人の幸福感につながるからです。メンバー自身が自分の幸せを増やすことができたなら、その幸せは伝播し、周囲の幸せにつながり、さらには地域の幸せへとつながっていくのです。
このように成長した人財こそが、明るい豊かな地域の実現の為、この地域のリーダーとして、必要とされていると確信します。

【LOM唯一の継続活動を我らの誇りに】

青年会議所に入会できるメンバーは20歳から40歳までに限定されていることから、拡大活動をしなければ、メンバー数は減少の一途をたどることになってしまいます。
拡大活動は、単年度ではありえません。時代による拡大対象者の思考や価値観の変化を踏まえつつ、今までの尊い活動を今後も引き継いでいかねばなりません。
このコロナ禍にあっても、地方において起業数が増加傾向にあり、大府市・東浦町においても、まちのために何かしたいとウズウズしている若者が必ずいます。その若者たちは、いわゆるミレ二アル世代、Z世代と呼ばれる世代であり、デジタルネイティブであることや、体験重視であること等、彼らの特性にあった拡大のやり方を調査・研究しつつ、これまでの拡大手法に改善を加え、推進してまいります。
また、メンバーを増やしたとしても入会後2〜3年以内の退会や出席率低下による退会予備軍を増やしてしまっては、意味がありません。メンバーが継続して活動していくためには、入会前に事業や例会に参加いただくことに加え、事業や例会の構築・準備・実施の一連の流れをメンバーとともに切磋琢磨していただく体験型のマッチング制度を試行することで、入会後2〜3年以内の退会や出席率低下を防ぐともに、入会への促進にも結びつけます。
拡大活動は、すぐに結果に結びつくものではありませんが、継続していくことが肝要であり、我々と志を同じくする若者の輪を拡げてまいります。

【平和の心を子どもたちへ】

私は、生まれも育ちも長崎市であり、祖父母が原子爆弾の被爆者である被爆3世です。幼少期から平和教育の中で、直接被爆者から戦争の悲惨さと平和の大切さを学んできました。その中には、目を背け、耳をふさぎたくなるような映像や画像及び体験談がありました。平和な時代に生まれてきた我々は、それ自体が幸せな事です。一方、世界に目を向ければ、そこには紛争やテロなど争い事が常にあり続けるという事実が依然としてあるのです。その原因は様々複雑にありますが、根本はシンプルさを大いに含んでいます。それはすなわち、人々は幸せになりたいという共通の想いはあるものの、価値観のズレによりお互いに認め合うことができないのです。そこから争いが始まるのではないでしょうか。
また、戦後77年の今、戦争経験を直接聞く時代は終わりを迎えようとしています。戦争を知らない子どもたちは、「平和って何だろう」という問いに対し、明確な答えを持っていないのかもしれません。
そこで、「平和って何だろう」を軸に、戦争の悲惨さだけを伝えるのではなく、子どもたちに身近な家庭や学校などから、親や友だちのありがたさ、思いやりの心の大切さといった、互いの価値観の相違を受容し、互いを認め合うような機会を創出してまいります。
この青少年健全育成事業の開催を通じて、具体的な平和のイメージを持った子どもたちが、世界平和の源となり、希望のある平和で幸せな未来を築いていけると確信します。

【がんばろう!!大府・東浦】

青年会議所にとって、まちづくりは地域の皆様との連結帯のようなものです。私は大倉公園つつじまつりなどのまちづくり事業の設営側に立って、さまざまな地域の皆様の笑顔に出会うたび青
年会議所に入会して良かったと感じることが出来ました。
しかし、昨今ここにも新型コロナウィルス感染拡大が影を落とし、各種おまつり等につきましては、地域の皆様の生命を守るのが最優先である事から、ほぼ中止判断となりました。
そのような中でも、我々は、世の中の情勢を踏まえ、新たに意味のある活動を模索していかなければなりません。それは、地域とのつながりやそこに住まう人々とのつながりを再構築することで、「自粛」、「制限」という制約の中でも、地域の皆様の活気や笑顔を取り戻し、真の心のつながりを実感できるものだと考えます。
我々地域の若者が、物理的に離れていても、心を地域に寄せ、地域の幸せのために行動する姿を通じて、地域の皆様に真心をすぐそばに届けてまいります。

【勇者となり新たなステージへ】

青年会議所には、LOMの活動だけでなく、さまざまなステージで活躍することができる場があります。それが出向であり、ステージに上がるための条件はありませんが、一歩踏み出した勇者のみがそのステージに上る権利を得ることできます。そこには、素晴らしい出会いと挑戦が待っています。これまで青年会議所で学んできたことをLOM以外でも発揮し、自身を試し、外から大府青年会議所を見つめたとき、良い面、改善すべき面をLOMの活動へ還元させてまいります。
また、本年度は愛知ブロック協議会に役員を輩出します。これはメンバー個々がそしてLOMが大きく成長できるまたとない機会です。LOMの看板を背負って出向するメンバーに最大の敬意を払うともに、その活躍をLOMとして最大限のバックアップすることを約束します。そこで培ったネットワークや経験は、今後の大府青年会議所を高みへ押し上げる原動力となるのはもちろんのこと、メンバー1人1人の成長の糧となると確信します。

【大府青年会議所のファンを作ろう】

2020年度に実施した次亜塩素酸水の無料配布は、地域の皆様への反響が良く、地域の皆様が必要としている情報であれば、アクセスして頂ける事が分かりました。しかし、不特定多数の方が、リアルタイムに必要としている情報を常に広報し続けることは、難しいと考えます。そうであるならば、まずは、地道に大府青年会議所のファン作りをし、ファンの皆さま向けに大府青年会議所から情報を発信してまいります。まずは小規模から始め、ターゲットを明確に定め、青年会議所活動の楽しさや魅力とは何かを常に意識し、情報を発信続けます。
そして、地道なファンづくりが結実していく中で、ファンとなった地域の皆さまが、発信源となり、さらに多くの方へと情報が伝播し、やがては、それが事業や例会への参加率向上に繋がっていく。さらには、我々と共に活動したいと思う地域の若者への拡大活動へも繋がっていくのです。
だからこそファンづくりという観点から、継続して広報活動を地道に行ってまいります。

【凡事徹底-組織の要に-】

組織運営で望むことは、凡事徹底です。
メンバーが平等に切磋琢磨できる組織には、規律があり、必ずそれが守られているのです。規律が守られなければ、そこに不平・不満が生じ、組織運営が思い通りにはなりません。だからこそ、組織運営にあたっては、当たり前のことを当たり前にやるこれに尽きるのです。
また、我々の活動は、総会や理事会の決議なくして実行は出来ません。だからこそ、総会や理事会が、我々の活動の質を作りこむ場であり、円滑に運営することが必要なのです。
そして、時代背景が目まぐるしく変化する中、大府青年会議所のルールである定款について、
この先、5年後、10年後のLOMのあり方を見据え、柔軟に見直してまいります。
組織が盤石であるからこそ、そこから生まれる事業や例会は地域から信用され、参加いただけるのです。組織運営は、青年会議所の活動・運動には直接結び付くものでありませんが、組織の要であるという誇りを胸に厳しく導いてまいります。

【おわりに】

私は、生まれ故郷の長崎が好きです。今後何らかの形で関係を持っていきたいと考えております。そこには、家族や友人との幸せな思い出がたくさんあり、生まれ育ったまちに何か貢献をしたいという気持ちがあるからです。
私の子どもたちも私と同じように生まれ故郷である東浦町を好きであって欲しいと思っています。そのためにも私は、これからも親として、地域の大人の一人として、子どもたちと共に地域に関わり、この地域で様々な幸せのかたちを共有していきたいと考えます。
幸せとは持続的に、良い状態になることではないでしょうか。そのために、勤勉に己を磨き、己の成長を促し、謙虚に他者の意見を取り入れ、まわりに心を配り、感謝する。そのような行動から最大の果実を得ることができる。
そして堅実に根を張り、大胆に葉を伸ばして欲しい。ベストを尽くしたのであれば、失敗してもいい、その後、どのように行動するかが己の真の価値だから。
これを知る者はこれを好む者に如かず。
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
孔子『論語』
これは、学問に対しての言葉ではありますが、学問にかぎらず、当てはまると考えます。
JCのことを知っているということは、JCを好きなものには及ばない。
JCを好きということは、JCを楽しんでいるものには及ばない。
JCを楽しんでください。楽しめば、その時の学びが何倍にもなり返ってくるし、それが周りに波及し、そこには人が集まるのです。その姿こそが大府青年会議所がこれから先も地域に必要な団体だと地域の皆様に思っていただける為に必要なものだと確信します。
一年間全身全霊をかけて、メンバーの幸せのために、そして地域の幸せのために、大胆に運動を導いてまいります。
勤勉であれ!謙虚であれ!そして大胆であれ!!
~地域の幸せのために~

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